「社内IoTエキスパート育成講座」のご紹介(その1:第1回~第6回)

広島県では、広島県内の企業にお勤めの方を対象に全7回の「社内IoTエキスパート育成講座」を実施しており,現在広島市で開講中の講座には12社19名の方受講されています。
 
中小企業は、人的、資金的リソースが限られており、自社でIoTの人材育成をする余裕がありません。それを補完するために,自治体は積極的に人材育成メニューを実施していますが、そのほとんどは、単発で終わっており、悪い言い方をすれば「お勉強」、「良いお話を聞いた」止まりです。

そのような反省を踏まえて、広島県では実践的なプログラムを考えました。
実際にIoTを導入する立場の部門におられる方を対象とし、最終的には、自社のIoT計画・戦略を立案し,プロトタイプ作成の上、経営者の前で発表していただきます。

これによって、
「自社の課題を発掘でき,その課題に対するIoTを活用した戦略,計画を外部企業(IT企業やコンサルティング会社)に頼らなくてもできる人材」を育成することを目標としています。
 
講座は、座学(2回)、ワークショップ(4回)、最終発表会(1回)からなっており、先週6回目の講座が終了しました。
あとは経営者の前での最終発表会を残すのみです。
 
ここで、これまでの「社内IoTエキスパート育成講座」の模様をご紹介いたします。
  


第1回(2018/7/5
座学講義

初回は経営者の方も参加され,世界をとりまくIoTの状況,なぜIoTが必要なのか,受講者とともに学びました。
初回に経営者が参加することで,経営者と受講者が共通認識を持てるとともに,本講座の受講が社内の重要事項となり,受講者のモチベーションを高めます。

 様子
 
(参考記事)社内IoTエキスパート育成講座(広島会場)がスタートしました
https://local-iot-lab.ipa.go.jp/article/hiroshima-pref-iot-1807110743.html


 
第2回(2018/7/19
座学講義

前回はマクロ的な話でしたが,今回はより具体的な内容に踏み込みました。
IoTのアーキテクチャ,実際の具体的な事例を学び,IoTでできることを具体的にイメージすることができました。

様子2
 
(参考記事)社内IoTエキスパート育成事業の第2回講座を開催しました
https://local-iot-lab.ipa.go.jp/article/hiroshima-pref-iot-1807251735.html
 
 
第3回(2018/8/2
ハンズオン

実際に「センサーから取得したデータをラズベリーパイというマイコンでクラウドにあげて可視化する」といったIoTの基本を、受講者自らが手を動かすことで学ぶハンズオン形式です。
IoTを知るには座学だけでは十分ではありません。実際に手を動かすことで、肌感覚で理解することができます。受講者全員、エンジニアではありませんが、可視化まで実装でき,大きな自信になりました。
様子3


 第4回(2018/8/9)
フィールドワーク&アイデアソン(工場の生産ライン)

受講者の工場の生産ラインを訪問し、デザイン思考に基づくフィールドワークとアイデアソンを実施しました。
これは,短期間でアイデアを出して,それを練り上げる訓練になります。
午前は、工場の生産ラインでのフィールドワークを実施しました。参加者は、この工場の課題を見つけだそうと熱心に工場の案内役の方へ質問を投げかけました。想定時間をオーバーするほどの熱気でした。
午後は、工場内の食堂を貸し切って、アイデアソンを実施しました。
アイデアソンは、当日ランダムに組んだチームに、各チーム1人づつ本工場の方も交え、この工場の課題を解決するIoTのアイデアを考え、最後は受講者全員の前で発表しました。
工場内を見せていただくことを快くご承諾いただいたS株式会社さん、ありがとうございました。
 様子4
  

第5回(2018/8/23) 
フィールドワーク&アイデアソン (レモン)

当初は大崎下島のレモン畑でのフィールドワークの予定でしたが、台風接近のため、広島市内のイノベーション施設「イノベーション・ハブ・ひろしまCamps」でのアイデアソンとなりました。
レモン農家の方,レモン加工品製造販売をされている方をお迎えし、広島のレモンを取り巻く状況・課題を教えていただき、IoTを活用したソリューションをチームで考えました。参加者のほとんどは製造業の方で、全く違うジャンルからIoTのアイデアを考える訓練になりました。短時間でしたが、面白いサービス、実現可能性のあるアイデアが飛び出しました。
台風接近の中,わざわざ広島市内までお越しいただいた とびしま柑橘倶楽部の方々,レモン農家の方々,ありがとうございました。
 様子5
 

第6回(2018/9/6
ビジネスモデル計画演習

自社にIoTを導入するには、IoTありきではなく、自社の課題を深掘りしたうえで、そのソリューションとしてのIoTを立案し,経営者を説得させなければなりません。
そのために,新規ビジネス構築によく使われるLean CanvasValue Proposition CanvasStrategic Capability Networkといったフレームワークに自社の課題を落とし込み、IoT導入計画を検討しました。
この計画を元に、これから927日の最終発表会に向け、プロトタイプ作りに入ります。
 様子6


 
お知らせ
10月から社内IoTエキスパート育成講座の福山版が始まります。(締め切りは、9月28日)
興味のある方は,こちらのリンク先をご覧ください。
https://www.pref.hiroshima.lg.jp/site/innovation/iot-expert.html
 
関連記事
「社内IoTエキスパート育成講座」の紹介(その2:プロトタイプ作成)
「社内IoTエキスパート育成講座」の紹介(その3:最終発表会)

 
 
 

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