IT企業等のサテライトオフィス誘致市内視察ツアー 〜2023夏〜
仙北市では、デジタル企業のサテライトオフィスの市内誘致を目指して、地方創生推進交付金事業である「人の流れと新たな時代をつくるサテライトオフィス誘致促進事業」を実施しています。その一環として、2023年8月30日(水)~9月1日(金)に視察ツアーを実施し、東京都や兵庫県等のIT系企業の8社10名が市内を訪れました。その視察ツアーの詳細をお伝え致します。
【第1日目 2023年8月30日(水)】
1)角館駅出迎え・お食事処ばっきゃ
角館駅では、視察ツアーをアテンドするみらい株式会社の大矢さんと、昨年度の視察ツアー参加者であり、今年度の視察ツアーを一緒にアテンドする株式会社リベンリ秋田の松澤さんがツアー参加者をお迎えしました。我々の熱烈な歓迎のためか、この日の角館の最高気温は35.3度と東京の34.6度を越えており、涼しい夏の気候をPRすべきが、東京より暑くなってしまいました。その後、一行はバスであきた芸術村に移動し、昼食会場であるお食事処 ばっきゃで名刺交換を行い、昼食を摂りながら歓談しました。
[角館駅でお迎えの㈱リベンリ秋田の松澤さん] [お食事処 ばっきゃでの昼食]
2)シアターエデュケーション体験 あきた芸術村
あきた芸術村では、1951年2月に創立し、民族伝統をベースに多彩な表現で現代の心を描く劇団で、市内に拠点を置く劇団わらび座が実施する演研修プログラムを体験しました。これは、演劇的なスキルを用いたワークショップを通して “対話”の基礎体力と意欲の向上を目指すシアターエデュケーションというプログラムです。この演劇体験を通してツアー参加者同士の交流を深めることができました。
[シアターエデュケーションを体験] [演劇体験の講師とツアー参加者一同]
3)オリエンテーション 市役所角館庁舎(市の紹介/参加企業プレゼン)
仙北市視察ツアーのオリエンテーションとして、市役所角館庁舎にて、田口市長より仙北市の取り組みを紹介しました。その後、ツアー参加企業が順番に自社の事業紹介を行いました。参加企業と市側の相互理解だけではなく、ツアー参加企業同士で互いの事業内の理解も深めることができたオリエンテーションでした。
[田口市長による仙北市の取り組み紹介]
4)懇親会 料亭稲穂
地元の食材とこだわり抜いた無添加調味料を使い、季節に合わせたお料理を提供する料亭稲穂にて、より親睦を深めるため、市長・副市長が参加する懇親会を会費制で実施しました。副市長の乾杯で懇親会が始まり、締めの挨拶はツアー参加企業を代表して、兵庫県神戸市に本社を置くシステム開発企業である株式会社ジェニオの米田社長が行いました。
[赤上副市長による乾杯の挨拶] [(株)ジェニオ米田社長による締めの挨拶]
【第2日目 2023年8月31日(木)】
5)物件見学
ツアーの2日目の初めは、仙北市へのサテライトオフィス進出や移住を具体的にイメージしてもらえるよう、角館地区の市内物件見学を実施しました。1件目は株式会社瀧神巧業の本社に併設する物件を視察しました。建設業を営む同社が管理する物件であり、冬の除雪の心配がない点等に興味を持つ参加者もいました。その後、物件に併設する同社本社オフィスを佐藤社長の案内で見学しました。洗練された内装に、さすが建設会社のオフィスだと参加者は感心していました。
[(株)瀧神巧業の佐藤社長による物件紹介] [隣接する(株)瀧神巧業の本社オフィスの見学]
2件目は、角館駅のすぐ近くの唐土庵角館駅前店の2階にある物件を訪れました。不動産会社の有限会社都市クリエイティブの長坂社長の案内で見学しました。角館駅前の利便性と駅前広場が眼下にある見晴らしの良さ、1階が営業店舗の2階物件による除雪負担の少なさ等の魅力がある物件でした。
[駅前建物2階の物件、左側階段が入り口] [物件の内部の様子]
3件目は、仙北市地域おこし協力隊の東風平蒔人隊員が代表取締役を務める株式会社遊名人(本社:秋田県仙北市)の運営するコワーキングスペース「ORENCHI」を見学しました。8月末で協力隊を退任する東風平さんは、2023年6月に㈱遊名人を創業し、仙北市を中心に秋田・東北のインバウンド観光を盛り上げるべく、宿泊事業・アクティビティ事業等に取り組んでいます。東風平さんとの意見交換を通して、ツアー参加者は、ORENCHIやそれを核とした事業展開に興味を持たれたようでした。
その後、ORENCHI内にオフィスを開設し、今回の視察ツアーのアテンドもしている、みらい株式会社の大矢さんと株式会社リベンリ秋田の松澤さんより、各社の事業紹介や市内進出の経緯の説明等を行い、意見交換をしました。
[コワーキングスペース「ORENCHI」の見学] [東風平蒔人隊員との意見交換]
[みらい㈱の紹介] [㈱リベンリ秋田の紹介]
6)移住者交流会 コワーキングスペース「ORENCHI」
ORENCHIでは引き続き、市内移住者との交流会を実施しました。株式会社リベンリ秋田の櫻井社長、仙北市観光文化スポーツ部の小田野部長、同部観光課の泉谷課長、仙北市地域おこし協力隊の佐藤成真隊員が仙北市に移住した経緯や、移住して良かったこと・困ったこと等を自身の経験を踏まえて紹介し、ツアー参加者と交流しました。
良い点は、水道水が美味しい、温泉や湖等の週末に出掛ける場所に困らないというのがありました。逆に困った点は、車がないと不便、地上波のテレビのチャンネル数が少ないというのがありました。ツアー参加者への仙北市PRでは、小田野部長からはお父様のご実家である武家屋敷通りの小田野家のご紹介や、泉谷課長からは奥様が運営する角館ゲストハウス シューでこの地区では唯一となるテイクアウトモーニングカフェ開始のご案内がありました。
[移住者交流会の様子] [移住者交流会に参加した移住者一同]
7)昼食/市内事業者との意見交換(百穂苑)
美術館内でお食事ができると評判の百穂苑で昼食を頂きました。女将の澤田 シェリンさんより、御料理の説明に加えて、ペルシャ絨毯の絵画等の館内の珍しい美術品・調度品の説明がありました。また、澤田 シェリンさんの息子で、仙北市議会議員の澤田 雅亮さんとの意見交換を行いました。同店は日本酒販売の特約店でもあり、澤田 雅亮さんから地域の日本酒の紹介等があり、お土産用の日本酒を購入している参加者もいました。
[百穂苑 女将 澤田 シェリンさんの説明の様子] [百穂苑 澤田 雅亮さんの日本酒の紹介の様子]
8)企業訪問① 株式会社安藤醸造
創業嘉永六年の伝統があり、味噌醤油の醸造等を営む安藤醸造本店を訪れました。蔵座敷や醤油仕込蔵土蔵を見学した後、秋田県商工会青年部連合会会長である株式会社安藤醸造の安藤雄介専務と意見交換が行われ、ツアー参加者からは積極的に様々な質問が出ました。
IT化したい分野は何かというツアー参加者からの問いに、安藤専務は、今は紙が主となっている請求書の電子化や通販の発送業務の効率化と答えていました。また、今後の販路拡大については、国内市場が縮小する中、シンガポール等の東南アジアに販路を拡大したいと述べていました。
[醤油仕込蔵土蔵の見学] [意見交換の様子]
9)生活体験 農家民宿
仙北市の魅力の一つである農家民宿に泊まるため、ツアー参加者は、ファームinn緑の風、茅葺の曲がり家 西の家、農家民宿 一の重、農家民宿 ふる里、4つの宿に分かれました。他のツアーメンバーと別れることに不安を感じる参加者もいるようでしたが、翌日感想を聞くと、農家民宿の生活体験や宿主の温かいおもてなしに大変満足している様子でした。実際、最終日のツアー振り返りでも、都会では経験できない贅沢な時間を過ごせた、一晩の滞在で家族のように打ち解けた等、農家民宿の素晴らしさを語っていました。
【第3日目 2023年9月1日(金)】
10)アクティビティ 遊覧船/田沢湖キャンプ場
自然豊かな観光地としての仙北市の魅力を知ってもらうため、まずは、遊覧船に乗って田沢湖を周遊し、湖上から田沢湖の自然を満喫しました。その後、田沢湖キャンプ場にて、アクティビティのガイドを行っている仙北市地域おこし協力隊の鐘偉倫さんからの田沢湖周辺のアクティビティの紹介やツリーテントの体験を行いました。
[遊覧船にて田沢湖を周遊]
[鐘隊員の説明] [ツリーテントを体験]
11)AIカメラ等を活用した市民バスの乗降調査事業の紹介 市役所田沢湖庁舎
今年度仙北市で実施しているAIカメラ等を活用した市民バスの乗降調査について、実際に同事業を実施している嘉創株式会社の王社長の説明により、AIカメラ等を搭載した市民バスの車両を見学しました。
その後、市役所田沢湖庁舎の会議室に場所を移し、王社長より、AIカメラ等を活用した市民バスの乗降調査の詳細を説明しました。また、同社は、昨年度の視察ツアー参加者であり、ORENCHI内にオフィスを開設しており、市内進出の経緯の説明や意見交換等を行いました。
[AIカメラ等を実装した市民バスの見学] [嘉創㈱王社長との意見交換の様子]
12)昼食/市内事業者との意見交換(割烹 桃屋)
ツアー参加者一行は、田沢湖駅前にあり、季節の食材を使った御料理を提供する割烹桃屋に移動しました。昼食会には嘉創株式会社の王社長も参加され、ツアー参加者は昼食を摂りながら、親睦を深めるとともにさらなる意見交換を行いました。
[意見交換の様子]
13)企業訪問② 株式会社田沢モータース
自動車整備・販売、各種石油類販売等の事業展開し、農業用ドローンの分野にも取り組んでいる株式会社田沢モータースを訪問しました。
初めに吉田社⻑より事業概要等の説明の後、意見交換を行いました。参加者からのEV(電気自動車)への取り組みに係る質問に対して、吉田社⻑は、平成23年-24年に秋田県立大学が主導した実証実験にて、EVの導入やEV充電設備の設置等を行なった経験を語りました。
当時のEVは、今ほど航続距離が⻑くなく、特にバッテリー性能を発揮できない冬期間は、さらに航続距離が落ち、グループのタクシー会社にて試験導入したEVが、利用客が多い田沢湖駅~乳頭温泉ルートにおいて、満充電でも往復ができず困っていたとの認識を持っておりました。それから、EVとは距離を置いていますが、現在は、電動トゥクトゥクの導入を検討する等、新たな取り組みに挑戦しているとのことでした。
[㈱田沢モータース 吉田社長との意見交換の様子]
14)ツアー振り返り 市役所田沢湖庁舎
ツアーの締め括りとなる振り返りは、市長・副市長が参加して市役所田沢湖庁舎で実施し、参加者からツアーの感想などを発表してもらいました。参加者からは、仙北市で具体的な事業の企画やサテライトオフィスの進出を検討したいというありがたいコメントも頂きました。11月の東京での交流会や2024年1月の冬のツアーの紹介も行い、互いに再会を約束しました。
[田口市長との意見交換の様子] [ツアー参加者の集合写真]
【ツアー企画・運営】
みらい株式会社 株式会社リベンリ秋田
【リンク】
●仙北市サテライトオフィス誘致PRリーフレット
●IT企業等のサテライトオフィス誘致市内視察ツアー 〜2022夏〜
●IT企業等のサテライトオフィス誘致市内視察ツアー 〜2022冬〜