IT企業等のサテライトオフィス誘致市内視察ツアー 〜2022冬〜

 仙北市では、デジタル企業のサテライトオフィスの市内誘致を目指して、地方創生推進交付金事業である「人の流れと新たな時代をつくるサテライトオフィス誘致促進事業」を実施しています。その一環として、12月15日(木)~17日(土)に冬の視察ツアーを実施し、9月のツアーに参加した首都圏IT企業の4社8名が再び市内を訪れました。そのツアーの詳細をお伝え致します。

【第1日目 2022年12月15日(木)】
1)昼食/市内事業者との意見交換(割烹 桃屋)
 ツアー参加者を田沢湖駅で出迎えた後、昼食会場である割烹桃屋に移動しました。桃屋ではタザワコサウナを運営するネネネ株式会社の八嶋社長をゲストに招き、意見交換を行いました。八嶋社長からは、コロナ禍のため以前は県内客が多かったが、行動規制緩和により県外客が増えてきたと話がありました。
 また、市内に若手起業家がいるのかという参加者からの質問に対しては、市内は分からないが、秋田県の若者チャレンジ応援事業に採択され、その採択者同士で知合いとなり、連携関係を構築していると回答しました。
[ネネネ㈱八嶋社長との意見交換の様子]
 

2)企業訪問①JUAVACドローンエキスパートアカデミー秋田県南校(中川コミュニティセンター)
 旧中川小学校である中川コミュティセンターに教室を置くJUAVACドローンエキスパートアカデミー秋田県南校を訪問しました。同校を運営する株式会社瀧神巧業の佐藤社長の挨拶の後、営業部営業課の平岡課長より、瀧神巧業の紹介、ドローンスクールの場所として旧中川小学校を選んだ経緯、実際にこの場所でスクールを運営する課題と展望の説明がありました。
 参加者からの土日に施設に入れない具体的なデメリットは何かという質問に対しては、農業用ドローンのメンテナンスもしていて、土日の修理依頼に対応できないことが課題だと回答していました。また、建設事業者の事業多角化としてドローンスクールを選んだのはなぜかという質問に対しては、非破壊検査等の建設業と関連する分野があったため進出したとのことでした。
[ドローンエキスパートアカデミー県南校での意見交換の様子]
  

3)企業訪問②インスペック株式会社(同社本社会議室他)
 市内に本拠地を置く東証上場企業のインスペック株式会社を訪れました。菅原社長より事業概要や沿革の説明の後、実際に工場を見学し、その後、意見交換を行いました。
 下請け企業から検査装置メーカーに挑戦した理由は何かという参加者の質問に対して、菅原社長は、利益率が良い下請けの仕事が発注元の内製化で無くなり、生き残りのために取引先より検査装置製造を勧められたのがきっかけだったと回答しました。加えて、いつかは独立メーカーになりたいと考え、下請け企業時代に利益を研究開発に投資していたことが功を奏したとのことでした。
[インスペック㈱での意見交換の様子]
  
  
4)オリエンテーション/企業訪問③株式会社おもてなしせんぼく(花葉館)
 第一部では、仙北市視察ツアーのオリエンテーションとして、市長挨拶、ツアー参加企業の自社紹介、市内金融機関の自社紹介等の後、市長より仙北市の最近の取り組みを紹介した。なお、オリエンテーションには、市内に支店を持つ秋田銀行北都銀行羽後信用金庫の金融機関や、田沢湖・角館観光協会仙北市商工会が参加しました。
 第二部では、株式会社おもてなしせんぼくの相原社長より同社の事業内容と今後の展望を説明してもらいました。4社合併した第3セクターの課題とそれをどのように克服して成長軌道に載せるかを、経済紙が調査を実施したテレワークに適した環境が整う自治体ランキングの話も引用しながら説明しました。
 参加者からの合併前の旧4社間のスタッフ融通の質問に対して、相原社長は、各施設の人員配置の見直しや兼務等の多能工化を進める必要があり、DX等の新分野の人材も今後は確保したいと展望を語りました。
[田口市長による仙北市の取り組み紹介]   [株式会社おもてなしせんぼくの事業紹介]
 

5)懇親会(花葉館)
 ざっくばらんに意見交換をして相互の理解を深めるため、会費制で花葉館にて三密を避けながら、市長・副市長が参加する懇親会を実施しました。副市長の乾杯で懇親会が始まり、締めの挨拶はツアー参加企業を代表して、東京都品川区に本社を置くシステム開発企業である株式会社エムズクリエイティブシステムの牧野社長が行いました。
[赤上副市長による乾杯]           [エムズ牧野社長による締めの挨拶]
  

【第2日目 2022年12月16日(金)】
6)企業訪問④有限会社インフォテック(仙北市総合情報センター)
 市内IT事業者の有限会社インフォテックの坂本社長より同社の沿革や事業概要の説明をしてもらいました。なお、場所は坂本社長が以前より市民向けパソコン講座の実施に利用している仙北市総合情報センターで行いました。
 参加者からの人材確保に関する質問に対して、坂本社長は、県主催の就職相談会の場を活用しており、IT事業者ということで他の業種よりも多くの人が面談に来るので、業種として恵まれているとお話ししました。
[(有)インフォテック 坂本社長との意見交換の様子]
  
 
7)企業訪問⑤株式会社メディカルファーム仙北(同社事務所)
 国家戦略特区の農業法人経営多角化等促進事業(平成28年4月より全国展開)を活用して菊芋の栽培・加工を行っている株式会社メディカルファーム仙北の吉田社長より事業概要とご自身の経験を踏まえた首都圏移住者から見た仙北市のメリット・デメリットをお話ししてもらいました。
 女性参加者からの都会を恋しく感じることはないかという質問に対して、吉田社長は、東京の百貨店等に行きたいと思うが、偶に行く程度で十分であり、デメリットは特に感じていないと回答して、女性参加者の共感を得ていました。
[㈱メディカルファーム仙北 吉田社長との意見交換の様子]
 

8)昼食/市内事業者との意見交換(欧風食堂グランビア※令和4年12月12日に欧風食堂KAEDEから変更)
 昼食会場である欧風食堂グランビアにて、同店を運営し、かつ、国家戦略特区の農業法人経営多角化等促進事業(平成28年4月より全国展開)等を活用している株式会社田沢湖自然ファームの樋口 拓志 さんより、事業概要及び生ハムについてのお話を伺いました。生ハムの種類や歴史、同社の製造のこだわり等を伺いながら、実際に同社で製造した生ハムを試食した。同社の生ハムに関心を持ち、昼食後にお土産として生ハムを購入している参加者もいました。
[(有)グランビア 樋口さんの説明の様子]   [生ハムに関心を示す参加者]
 

 また、欧風食堂グランビアから次の田沢モータースへの移動には、新型モビリティサービス「たっこちゃんモビ」を用意しました。乗車定員の都合、全員は乗れなかったため、乗車希望者を募ったところ、神奈川県藤沢市に本社を置くソフトウェア開発企業である株式会社リベンリの櫻井さんと松澤さんが希望され、実際に乗車体験をしました。なお、同社は視察ツアー参加後に市内進出を決め、令和5年3月22日に株式会社リベンリ秋田を設立しました。
[たっこちゃんモビへの乗車の様子]
 

9)企業訪問⑥株式会社田沢モータース(同社本社会議室) 
 自動車整備・販売、各種石油類販売等の事業展開し、ドローンの販売等にも取り組む株式会社田沢モータースを訪問しました。吉田社長より事業概要等の説明の後、意見交換を行いました。
 参加者からの人材確保に係る質問に対して、吉田社長は、外国人技能実習生制度を活用した人材確保を検討したが、車両整備の技術習得には時間が掛かり、2~3年程で辞められると厳しいので検討を断念したとお話しされました。また、市内求職者の絶対数が少なく、人材の定着が大切と語り、ご自身の体験を踏まえて県外進学を安易に勧められることが地域に人材が残らない遠因ではないかとのことでした。
[㈱田沢モータース 吉田社長との意見交換の様子]
 

10)田沢湖クニマス未来館見学(田沢湖クニマス未来館) 
 田沢湖クニマス未来館の千葉館長の説明で、クニマスの生態及び往時の田沢湖の様子、クニマス絶滅の経緯の話を聞きながら、田沢湖クニマス未来館を見学しました。ツアー参加者は、クニマスの話を通して、田沢湖やSDGsの取り組み等についての理解を深めました。
[田沢湖クニマス未来館 千葉館長の説明を聞く参加者]
 

11)企業訪問⑦有限会社ビー・スケップ(山のはちみつ屋) 
 田沢湖地区有数の観光客の集客を誇る山のはちみつ屋を運営し、首都圏への通販事業を展開する(有)ビー・スケップを訪問しました。西村社長より事業概要や沿革、はちみつの豆知識等の説明の後、意見交換を行いました。
 参加者からの通信販売の顧客獲得に関する質問に対して、西村社長は通販の主力商品であるプロポリスは玉川温泉の湯治客に人気があり、玉川温泉の宿に足繁く通い、湯治客を顧客化し、リスト化できたことが礎になったと回答しました。
 また、はちみつ加工品の自社開発に関する質問に対して、商品開発ももちろん大切だが、成功させるためにはその3倍の資金を販売に使わなければならないとお話しされました。
[(有) ビー・スケップ 西村社長との意見交換の様子]
 

【第3日目 2022年12月17日(土)】
12)スノーシュー体験(乳頭温泉郷付近) 
 仙北市農山村体験推進協議会でスノーシューツアーのガイドをしている仙北市地域おこし協力隊の東風平蒔人隊員の案内で、スノーシュー体験をしました。ツアー参加者は西洋かんじきのスノーシューを履き、新雪を踏みしめながら、一面の銀世界を堪能しました。また、肥料袋を使ったそりや雪上ダイブ等の雪上アクティビティも楽しみました。
[東風平隊員のガイドでスノーシューを体験する参加者]
 

13)昼食/市内事業者との意見交換(百穂苑)
 昼食会場の百穂苑にて、仙北市議会議員でもある合資会社百稲苑の澤田 雅亮さんより、飲食店、美術館、日本酒販売等の同社事業の説明を伺いました。ツアー参加社は、昼食後に、ペルシャ絨毯等の館内美術品を見学しました。また、同店は日本酒の販売もしており、お土産用の日本酒を購入している参加者もいました。
[(資)百穂苑 澤田さんとの意見交換の様子]
 

14)ツアー振り返り(角館庁舎)
 ツアー振り返りでは、市長挨拶の後、仙北市に移住しているモバイルプロデュースオフィス株式会社の岩水 典嗣 社長より、移住等の体験談を踏まえながら、仙北市でビジネスを行う上でのメリット・デメリットや今後の展望をお話し頂きました。意見交換では、奥様で料理研究家nのガーデンカフェ&デリカテッセンkimotoの木元 千恵子 代表も一緒に登壇して行いました。参加者からの県内でのIT事業の顧客開拓に関する質問に対して、岩水社長は、秋田県中小企業同友会等の経営者の集まりへの参加を活用しており、県内はIT事業者がまだまだ少ないようだと回答しました。
 意見交換の後、ツアー参加者よりツアー全体の感想を伺いました。感想では、「市長・副市長が懇親会まで出てくれる企業誘致に熱心な行政は他にはない」、「雪に対するマイナスのイメージも今日のスノーシュー体験で変わった」、「市内の多くの企業経営者と効率的に会えて良かった」と肯定的な内容を頂けました。
[田口市長の挨拶]             [岩水さん・木元さんとの意見交換の様子]
 

15)不動産相談会/物件見学(角館庁舎他)
 ツアーの締め括りは、仙北市へのサテライトオフィス進出や移住を具体的にイメージしてもらえるよう、不動産相談会と物件見学を実施しました。まずはじめに、市役所角館庁舎にて市内不動産事業者の株式会社イサワインテリアの山田さんより、具体的なオフィス物件や住居物件、物件選びの確認点のお話しを伺いました。蓄熱式暖房機やFF式ストーブ等の暖房機の種類、灯油タンクの有無、駐車場の消雪設備の有無、排雪場所の有無、流雪溝の有無・利用料金・利用可能時間等、雪国ならではの物件選びの確認点を丁寧に説明頂きました。
 その後、バスに乗って移動し、物件見学を行きました。1件目は株式会社瀧神巧業の本社に併設する物件を、営業部営業課の平岡課長の案内のもと、見学しました。2件目は角館駅前にある物件を仙北市地域おこし協力隊の東風平蒔人隊員の案内のもと、見学した。東風平隊員は来春より旅行業等で起業する予定で、この場所にコワーキングスペース及びレンタルオフィスの設置も計画しており、ツアー参加者は興味を持って話を聞いていました。
[イサワインテリア 山田さんの説明]     [東風平さんによる物件活用の展望の説明]
  

【ツアー企画】
 みらい株式会社

【リンク】
 ●広報せんぼく1月16日号 旬な情報チャンネル 
 ※p2をご覧ください。
 ●仙北市サテライトオフィス誘致PRリーフレット
 ●IT企業等のサテライトオフィス誘致市内視察ツアー 〜2022夏〜

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