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地域DX推進ラボ DX認定取得事例~和田精工株式会社

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「課題解決型デジタルファクトリー」デジタルでより働きやすい職場を、そして新しい事業価値を創出する
~和田精工株式会社
#インタビューイー

和田精工株式会社
代表取締役 和田一宏氏

#企業概要
ベアリング製造とエンジニアリングプラスチック成形メーカー

大阪府堺市に本社を置く和田精工株式会社は、1934年創業の老舗メーカーです。自転車部品の製造から始まった同社は、自社ブランド(WTW)にてボールベアリングの製造・販売を行っていましたが、1973年よりベアリングと樹脂射出成形の複合製品を開発。現在は本社の堺だけでなく、大阪府貝塚市、和歌山県にも工場を持ち、高い成形技術を必要とするエンジニアリングプラスチック成形を得意としています。製造品目は、高い技術力や品質管理能力を必要とする自動車・医療をはじめ、印刷機械や文具まで多岐にわたります。業界を絞らず高付加価値な精密部品を得意とし、小ロットから量産まで幅広く対応しています。

#取組理由・課題・きっかけ
より長く、より働きやすい職場環境づくりにデジタルを活用

和田精工株式会社は、従業員の定着率が非常に高い会社です。目視検査など視力と集中力を要する業務は負荷が高いため、多くの従業員がより長く、より楽に働き続けるために、デジタル技術を活用したいと10年ほど前から独自に職場改善を進めていました。今後より人材不足となっていく社会で生き残っていくためには、早い段階から取り組むことが重要だと和田社長は考えたのです。

ところが、当初は自分たちが行っている職場改善・業務改善がDXとは結び付いていませんでした。DXとは、大企業がビッグデータなどを活用して全自動化するもので、自分たちとは関係のない別世界のイメージを持っていたと和田社長。そんななか、堺DX推進ラボから「ふるさとCo-Lead」プログラムへの応募を勧められたことで、初めてDXを意識し始めたのです。

#取組内容(挑戦したことや解決策を含む)
プログラムを通してDXへの理解を深め、さらに発展

プログラムの参加を契機に、「DXというのは、思っていたイメージと違って、意味深いものだ」と感じた和田社長。DX推進ラボの活動を通して、今まで自社で行っていた自動化やデジタル化がどういうことであったのかを言語化することに特に時間をかけたといいます。これまでは自社におけるデジタル化やDXの在り方や経営方針はぼんやりとしていましたが、理解を深めるうちに体系的にまとまり、今後のビジョンが明確になりました。プログラムに参加したとはいえ、新しいことをゼロから始めるのではなく、これまでやってきたことを発展させていきました。

困りごとを解決するデジタルツールは自社開発。未経験の3人の社員を選出し、少しずつ取り組み始めたと言います。当初はもちろんうまくいかないことも多くありましたが、成果は焦らず、45年目ごろからは徐々に形となり、現場で試しては改善を繰り返しました。

課題だった外観検査では、WEBカメラを利用した自動判定装置を自社開発。社員だけでなくパート従業員でも簡単に扱えるものを作り、フィードバックを重ねます。「生き物のように毎週変わる」と和田社長が言うように、常に改善しブラッシュアップさせているのです。「社内の困りごとをデジタルで解決するという考え方は、この10年ほどでやっと実ってきました」と和田社長。ラズベリーパイとオープンソースを利用することで、大がかりなコストをかけることなく自社システムを作り上げています。

WEBカメラを利用した自動判定装置。装置は低コストで自社開発している
#結果(成果)
顧客の困りごとから⾃社新製品開発

同社の外観検査システムを知った同業他社から、同様の装置を取り入れたいという依頼があったものの、小さな成形品の検査は既製品のカメラでは難しい。そこで金属製のエジェクトピンが折れて製品への混入を防ぐことが目的であったため、金属探知機を利用した検査機を開発しました。この製品を展示会に出展したところ反響があり、製品化につながりました。

働き⽅改⾰

成形機から出てきた成形品を入れる段ボール箱がいっぱいになった際に箱を変える作業などは、作業員が常駐していなくても、人間でなくてもできる業務です。こうした業務を、多軸ロボットなどを使用し自動化することで、作業効率を改善。業務の全てではなく、わざわざ人がやらなくてもよい部分だけを「ちょっと自動化」することで効率をアップさせ余裕時間をつくることを目的としています。和歌山工場では、夜間の無人化に取り組んでいます。まだまだ課題はありますが、朝まで稼働を続けられる日も増え、今後はさらに改善を続け水平展開を進めていきます。こうした職場改善によって、今後も作業員の有給休暇の取得率を向上させていくなど、働きやすい職場にしていきたいと和田社長は語ります。

人間がやらなくてもいい仕事はロボットで自動化①
人間がやらなくてもいい仕事はロボットで自動化②
#展望(今後の計画/普及施策等)
サプライチェーン展開を目指す

和田精工株式会社には3拠点あり、社内便も多く利用しています。それぞれの稼働状況などの情報共有ができれば、無駄をなくし効率化することができます。機械の稼働や生産状況をリアルタイムで管理するというような、精度の高い完璧なシステムではなく、もっとシンプルで、欲しい情報だけをキャッチできるようなアプリケーションの開発を今後進めていきたいと和田社長。まずは社内で取り組み、ゆくゆくはサプライチェーン全体で情報を共有する仕組みづくりを目指しています。

⼈材育成

単純作業を自動化できれば、今までその業務を行っていた従業員に新しい仕事を覚えてもらう必要があります。これまではベテラン作業員が付きっ切りで指導することが多くありましたが、現在ではすでに手順書の動画活用を進めています。今後はより使いやすく、より工夫していきたい考えです。

#補足事項(取組の中経験した苦労や失敗、活用施策、協力者など)
デジタル推進の空気感づくりは、まず社長の姿勢と行動から

DX認定を取得したことで、燃え尽き症候群のようになってしまうのではないかと懸念していた和田社長ですが、継続していくために「堺 NeXt Drive(堺市DX新規事業創出業務)」に参加しました。意識の高い仲間たちに囲まれ、より具体的なプランを練り上げていくことができたと言います。問題定義〜解決の筋道が明確化し、DX認定取得後の失速を回避し、継続性の確保に成功しました。

社長自身が熱心にDXについて学ぶ姿勢が、会社全体に「DXを進めていこう」という空気感を作り上げました。「開発者はとくに社内の空気感に敏感です。経営者が全面的にバックアップしていると感じられることが非常に大事だと思います」と和田社長は話します。

従業員が少しでも楽に、そして長く働ける職場を作ってあげたい。その道具がDXである――和田社長の考えは、自社独自の取り組みを始めたころから、DX認定を取得後も揺らぐことはありません。和田精工株式会社は、自社を「課題解決型デジタルファクトリー」と定義付けました。そしてそのデジタル技術を社内だけでなく外販することで、新たなビジネスに変革させているのです。

#問い合わせ先

和田精工株式会社
590-0007 大阪府堺市堺区北庄町2-3-11
TEL
072-229-1485
FAX
072-229-8356
URL
https://wtw.co.jp/

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