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意外となかった「ITベンダーマッチング支援」でDXへの一歩を確実にする――埼玉県DX推進支援ネットワーク

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DX相談とITパートナーマッチング支援を提供

埼玉県DX推進支援ネットワークでは県内企業等のデジタルツール導入やDXを支援するため、DXコンシェルジュが個別の相談に応じ、埼玉DXパートナーとのマッチング支援「埼玉DXパートナーマッチングサービス」を実施しています。この取り組みには、埼玉県内および県外より280社以上のIT企業が埼玉DXパートナーとして参画しています。

この支援は、企業からの相談を専門の相談員であるDXコンシェルジュが受けた上で、要件をとりまとめ、複数のパートナー(ITベンダー)に匿名で提案依頼を行い、その提案結果を比較できるようにするシステムとなっています。埼玉県内の企業であれば、こうした相談からマッチング支援まで無料で受けることが可能です。


DXコンシェルジュの3名

DXコンシェルジュは、過去にメーカーやITベンダーに長年在籍し、かつデジタル化やDXの技術や導入法などに明るいコンサルタントの方々が担当しています。

今までなかった「出口のある戦略」

埼玉県内の、特に中小企業においては、DXやデジタル化に対応してくれるITベンダー探しで苦労しているケースが散見されていました。こうしたニーズに着目して、一般的な行政の企業からの相談対応支援だけに留まらない、DXコンシェルジュによる埼玉DXパートナーマッチングサービスが開始されました。このような、実際に企業の課題解決を担うITベンダーのマッチング支援まで実施する「出口のある戦略」は、埼玉県内の他、近隣の自治体でも見られなかったということです。

埼玉県内は中小企業や小規模事業者が多く、そうした企業においては中堅ITベンダーや大手商社による提案内容のレベルや予算感がうまくマッチしない場合もあります。埼玉DXパートナーの中には比較的小規模なITベンダーの登録もあり、小さな予算で小回りの利くサポートを売りにしている企業および事業者もあります。このような中小県内企業と小規模パートナーとのマッチングは、双方にメリットがあり、多くのパートナーを有するこの支援の特長のひとつであると考えられます。

こうした背景から需要が多いと見込んで開始したサービスではありますが、開設直後は申込数が思ったほどには伸びず、告知や広報が課題となりました。 

300件相談のうち6割がパートナーマッチング支援につながる

開設時にサービスを広めるにあたっては、「まずは知ってもらうこと」が肝心として、埼玉県DX推進支援ネットワーク構成機関による周知、セミナー、広告などによる事業広報、Webサイトの管理・更新など、基本的な広報活動をしっかり行いました。

結果としては、これまでの実績として、1年間の相談件数は約300件。相談企業数としては約100社。順調に相談件数をのばしています。そのうち6割ほどがパートナーマッチング支援のフェーズに進んでいます。

これまでの相談内容は、Excel作業ベースからクラウドシステムへの移行、インボイス制度や電帳法対応などが多かったそうです。また、以前から社内で長年導入しているシステムの刷新が迫られているものの、当時の開発担当が退職済などで不在であり、ブラックボックス化してしまい対応に困っているといったケースもありました。

埼玉県内に多い中小製造業については、近年の厳しい市場競争やモノづくりの複雑化を受け、生産管理システムを高度化したいという相談が目立ったということです。2023年ならではの動きとしては「運送業 2024年問題」(2024年4月からのトラックドライバーの労働時間の上限既定の厳格化)を背景とした作業の自動化や勤怠管理のデジタル化などの相談が少しずつ増えてきていたそうです。

なお、こうした支援は、埼玉県内の相談企業だけではなく、新規顧客開拓のきっかけが格段につくりやすくなるとしてITベンダー各社にも喜ばれています。パートナーとなるITベンダーについては、県外の企業であっても登録が可能です。

現在、相談件数の伸びも順調であることから、今後は、相談企業のデジタル化の段階に応じた対応も実施できるようコンシェルジュを増員し、伴走支援等、よりきめ細かな対応を実施していく予定であるということでした。

なお、埼玉県と埼玉県DX推進支援ネットワークでは、2023年度(令和5年度)の新規事業として、「埼玉DX大賞」表彰事業を実施しています。

第1回埼玉DX大賞表彰式


これは、県内中小企業等の優れたDXへの取り組みを表彰するものです。2024年1月24日に第1回表彰式が行われました。最優秀賞はオリジナルの生産管理システムの自社開発に取り組んだ表面処理企業のスリーケ株式会社、ほか5社が賞を受賞しています(詳細は下記「埼玉DX大賞」特設ページをご覧ください)。このような機会により、埼玉県内のより多くの中小企業にDXへの関心を持ってもらい、「埼玉DXパートナーマッチングサービス」の相談件数をさらに増やしていきたいということです。
https://www.saitamadx.com/dxaward/

彩の国ビジネスアリーナ2024での展示

相談企業が抱える、DX以前の課題

コンシェルジュの方々が相談企業からの相談を受けていると課題となるのが、「会社として今後どうありたいかなど相談企業側の経営方針や経営課題と、DXをどのようにシナジーさせるか」であるそうです。デジタル化やDXはあくまで「手段」であって、まずはそれを活用するための「目的」をいかに明確化するかが重要となります。

相談企業の中には、経営方針や経営課題が具体的に描けていない、相談しに来る方が経営者とコミュニケーションがうまく取れていないと考えられるケースもあるのだそう。そうした場合、DXやデジタル化について相談する以前の経営課題の整理が必要であり、いったん埼玉県内の経営相談の方へつなぐなど、埼玉県、埼玉県産業振興公社が運営するさまざまな機関と連携して支援する体制を取ることで、企業の実情に応じたサービスを提供可能にしています。

コンシェルジュの方々については、相談の際に安心感をもってもらうことや、話しやすい雰囲気づくりや、識者然とした専門用語の多用を避けるなど工夫しているということでした。

 

 




 
埼玉県DX推進支援ネットワークでは、県内企業などのDXを推進するため、経済団体、金融機関、支援機関、行政機関の27団体が連携して支援を行っています。

埼玉県DX推進支援ネットワークの取組みはこちら


問い合わせ先
埼玉県DX推進支援ネットワーク事務局
(公益財団法人埼玉県産業振興公社DX推進支援グループ)
TEL:048-621-7051
MAIL:info@saitamadx.com

 

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