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アプリで楽しく「デコ活」!DXによるゼロカーボンシティの推進――いるまDX推進ラボ

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入間市民に「ポイ活」を楽しんでもらって「デコ活」につなげる

入間市役所が事務局を担う「いるまDX推進ラボ」では、DXによる地域課題解決を目指してプロジェクトに取り組んでいます。同ラボでは、入間市民・事業者・行政が一体となり、入間市をゼロカーボンシティとして発展させるべく、スマートフォンアプリ「SPOBY(スポビー)」を関東の自治体として初めて実装しました。


2023年1月~3月にかけて実施したSPOBYによる市民向けワークショップや実証実験を踏まえて、2023年5月から脱炭素ライフスタイル促進プロジェクト「サスティナブルウォークいるまいる」(いるまいる)を実施しています。


この取り組みは、自家用車や公共交通機関を利用した場合と、徒歩や自転車で移動した場合を比較して、具体的にどれくらいのCO2排出を抑制できたかを「脱炭素量」としてグラム換算しデジタルデータにして可視化。さらにその数値を地域店舗で使えるポイントに換算。貯まったポイント数に応じて、市内の協賛店舗が提供する食品や雑貨、割引券などといった特典と交換できるようになっています。歩数などから換算する脱炭素量(CO2排出抑制量)のポイント化は、首都圏の行政としては初の取り組みです。アプリは、歩いた距離などをCO2削減量に換算できる独自技術を持つスタートアップ企業(株式会社スタジオスポビー)の協力を得て実現しています。

さらに2023年9月からは、いるまいると連動し、家庭の使用済み食用油(廃食油)を市内のスーパーに設置された回収ボックスに持ち込むとポイントが貯まるという実証を全国で初めて開始。地元の廃食油回収業者と連携し、バイオディーゼル燃料へのリサイクルなどを目指して、現在もユーザーを拡大すべく実施中です。

これらの取り組みでは、いわゆる「ポイ活」(ポイントを貯めたり活用したりすること)で、環境省が掲げている市民が楽しくゲーム感覚でライフスタイル分野の脱炭素活動「デコ活」(※)につながる行動変容を促すことを目指しています。

※「デコ活」:2050年カーボンニュートラル及び2030年度削減目標の実現に向けて、環境省が展開している国民運動。国民および消費者の行動変容、ライフスタイル変革を強力に後押しすることを目的としている。 

商品提供してくれる協賛店を募る方法

この取り組みでは、一過性のイベントものと異なり、利用者に対して常に動機付けが重要です。そのため、市民参加に加えて、ポイントに応じた商品を提供してくれる地域の協賛店舗をいかに増やしていくかが肝要となっていました。併せて、この事業で取得した人流データの活用法を模索することも今後の課題です。 

地元商工会や青年会議所との連携と丁寧な説明

課題の解決方法としては、まず入間市商工会と連携し、店舗向けの説明会を実施。併せて、市域の脱炭素化を進めていく官民連携のプラットフォームとして2022年に立ち上げた「入間市ゼロカーボン協議会」には、「ライフスタイル部会」を設置しました。商工会・青年会議所やケーブルテレビをはじめとする市内関係者が一堂に会し、まちづくりや自転車・スポーツなどの庁内関係部署も交えて、連携会議を定期的に開催しました。 

アプリユーザー数は右肩上がり

いるまいるや廃食油回収の取り組みは、市民にも、そして協賛店舗にも非常に好評です。2024年1月現在で入間市コミュニティに2700人以上のSPOBYユーザーが登録していて、今も順調に利用者が右肩上がり。テレビや新聞、雑誌の取材依頼も多々あります。

アプリ利用者は、楽しくポイ活が行えるとともに、意識的に歩いたり、自転車に乗ったりするようになるので、健康づくりにもつながります。実際にそういった声が利用者から事務局に届いています。市内の店舗にとってはPRになり、売上にも寄与する上、CO2削減にも無理なく貢献できます。このように利用者と協賛店舗それぞれのメリットが明確かつ実感しやすいことが、行動変容を促す結果につながりました。


地域店舗での特典交換の様子

SPOBYのデータ活用でDXによるまちづくりを推進

今後は、SPOBYで収集されたデジタルデータを、もっと具体的に活用してDXによるまちづくりを推進していくことを目指します。現在、入間市内の都市計画や防災計画、観光・商業振興などに生かせるよう、庁内の関係課や大学などの研究機関と話し合いを進めています。

SPOBYで取得した人流データの例 

協賛店舗とユーザー数を増やすために

開始当初はなかなか協賛店舗が集まらず苦労しました。市役所の職員だけでは、店舗に呼びかけるのは限界がありました。そこで、地元の青年会議所や商工会などに協力を仰ぎ、地元飲食店のネットワークを活用した周知や説明会を開催するなどして、興味を深めてもらうという地道な取り組みを実施しました。中でも青年会議所のメンバーたちのコミュニティの力に助けられました。

いるまいるの参加者は50歳代以下がボリュームゾーンで全体の8割を占めています。60歳代以上の利用者はまだ増加の余地があります。市内に掲示されていたポスターで興味を持ってくれた市民が市役所窓口でアプリの使い方について尋ねた際は、いるまいる担当課と連携をとり、ハンズオンで使い方の説明をしているほか、わかりやすい利用ガイドも作成しています。

さらにSPOBYのアクティブユーザー数や脱炭素量の累計値について、市役所や大型店舗内など市内3カ所にデジタルサイネージを設置して表示。それにより「脱炭素に貢献している」という参加者のコミットメントを向上させるほか、未使用ユーザーの関心をひき、さらなる新規ユーザー獲得の機会につなげています。

入間市役所本庁舎に設置されているデジタルサイネージ

いるまいるの他にもさまざまなDXプロジェクトを推進

同ラボでは、いるまいるの他、庁内業務用のEVをシェアリングアプリ「eemo」を活用して市民・観光客が平日夜間・土日祝日に利用できる「EVシェアリング」も提供し、こちらも市民から好評を博しています。そのアプリは庁内の職員も利用しており、業務での車両利用における事務手続きのDXにも取り組んでいます。

入間市役所本庁舎におけるEVシェアリング拠点

さらに下記も実施中です。

  • 地域課題を解決するアイデアコンテスト
  • DXに挑戦する地域企業に対する伴走支援
  • 電子商品券の導入による地域経済循環
  • CO2見える化プロジェクトを活用したモデル事例の創出(入間市GXリーダーシップ)
  • DXを活用した働き方改革を体感できるイベント(入間市工業会DX体感イベント)

今後も、「入間市DXビジョン」に掲げる行政手続・防災のDXのほか、福祉・教育・農業など、地域課題に応じたプロジェクトを随時追加していく予定です。

 

 


入間市では『心豊かでいられる、「未来の原風景」を創造し伝承する。』というパーパスの下、さまざまな官民共創プロジェクトを推進。その中で、DXによる新事業の創出およびWell-being向上を図る役割を担うのが「いるまDX推進ラボ」です。

問い合わせ先

  • 「いるまDX推進ラボ」について(入間市公式ホームページ)
    https://www.city.iruma.saitama.jp/soshiki/shokokankoka/9629.html
  • 「いるまいる」「EVシェアリング」に関すること
    ⼊間市役所 エコ・クリーン政策課 TEL 04-2964-1111(内線 4263・4264)
  • 上記以外の「いるまDX推進ラボ」に関すること
    ⼊間市役所 商⼯観光課 TEL 04-2964-1111(内線 4257)

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