近年、人間同士のコミュニケーションに用いられてきたインターネットを、設備や部品など、ものとものの間の通信に用いる IoT の動きが急速に普及し、異なる工場間で製造設備を自動的に連動させたり、販売後の商品メンテナンスをネットを通じて自動的に行うなど、生産性向上の切り札としての IT の活用が進んでいます。また、サービス業や観光産業においてもIoTを活用した革新的サービスの創出や供給効率性向上により、インバウンド需要や国内を含めたリピート需要を創出していくことが求められております。
こうした中、産官学連携によりIoT推進コンソーシアムが設立され、その下でIoT推進ラボは、ラボ3原則(成長性・先導性、波及性(オープン性)、社会性)に基づき個別のIoTプロジェクトを発掘・選定し、企業連携・資金・規制の面から徹底的に支援するとともに、大規模社会実装に向けた規制改革・制度形成等の環境整備を行ってきました。
同様に地方においても、IoT、ビッグデータ、AI等の活用、人材育成等を加速し、地域課題の解決とともに地域の経済発展を推進していくことが期待されます。
このため、経済産業省・独立行政法人情報処理推進機構(IPA)では、地域における新たな価値創造に向けて、IoTプロジェクトを創出する取組を「地方版 IoT 推進ラボ(以下、「ラボ」と言う。)」として選定し、支援しています。
選定基準
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地域性
- 地域課題の解決等に資するIoTプロジェクト創出のための取組であること。
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自治体の積極性と継続性
- 自治体が積極的に運営・協力しており、反復継続を意図した取組であること。
- 経済的にも自立し、リターンを産める取組であること。
- ラボを適切かつ創造的に運営・発展することができる人材がいること。
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多様性と一体感
- 地域の特徴ある多くの多様な機関(地域の公的機関、大学・各種学校、研究機関、企業・事業者、事業者団体、投資家、ベンチャーファンド、金融機関、市民団体等)が連携または参加している取組であること。
選定を受けたラボに対しては、希望に応じて以下の支援を行います。
- ラボマークの使用権付与
- ポータルサイト、ラボイベント等によるIoT関係者への広報
- 地域のプロジェクト・企業等の実現・発展に資するメンターの派遣
また、事業の進捗状況に応じて、以下のような支援を検討しています。
- 協力企業等による支援
- 各省庁・各種助成制度との連携
- 選定地域やラボ内で発掘された優れたプロジェクトを対象とするアワード(懸賞)事業