富山県IoT活用ビジネス革新研究会の取組み



富山県では、平成28年度に、県内企業のIoT導入支援の方策を検討する「富山県IoT活用ビジネス革新研究会」(座長:森川博之 東京大学先端科学技術研究センター教授)を設置しました。高等教育機関、民間企業、産業団体、産業支援機関、行政等を委員とし、県内のIoT活用の現状や課題、これから取り組むべき施策等について議論を進めてきました。

◆現状
県内企業に実施したヒアリングでは、IoT活用への認識は高まりつつあるものの、具体事例の情報不足、導入効果や費用対効果が不明なこと、設備投資に費用がかかることなどから、一部で取組みを始めている企業もある一方で、多くの企業で取組みが進んでいない状況であることがわかりました。
また、富山県は全国の産業構成比と比較して製造業の構成比が大きい「ものづくり県」であり、そのほとんどが中小企業です。IoTは技術や費用、人材など多くの課題もある一方、うまく活用することで、地方の中小企業にとって大きな飛躍のチャンスにできるはずです。

 

◆検討内容
研究会では、委員から

・中小企業がどうIoTに取り組んでいくかが非常に大事
・中小企業こそうまく使えば、これからの発展に繋がっていく
・一企業ではなかなかできないことが構築できれば、県内としては非常に有意義
・取得したデータを活用する人材が不足している。しっかりと人材育成をしていかなければならない
・まず、足元の課題に取組み、そのうえで、さらに何ができるかを考えることが大事である

などの意見が聞かれ、特に県内企業の大半を占める中小企業において、目の前の課題を解決するための身の丈に合ったIoTの活用を促進していくことが第一歩であるとの考えに至りました。
そこで、県内企業のIoT導入促進に向け、次の2つの観点で取組みを進めることで意見がまとまりました。

(1) 意欲ある県内企業が集い、情報共有や意見交換を行うための「仕組み(組織)」づくり
(2) 生産性向上の観点から、「生産管理」、「在庫管理」、「設備保全」等の区分ごとに、IoTを活用した「初期段階」の事例を示す。そこから、工場間や企業間をつなげる「発展段階」へと繋げていく

この意見をふまえ、平成29年度から具体的に取組みを推進していきたいと考えています。

カテゴリー Category

アーカイブ Archive

地域DX推進ラボ数

38

地方版IoT推進ラボ数

72

おすすめ記事 Recommend

人気記事 Popular

リンクバナー Link banner

リンクバナー一覧