ハッカソンから生まれたアイデア!開発進行中!



”良かったね”では終わらないハッカソンの続き、進行中!その名も『草刈ルゥーーン』

全国津々浦々で開催されているアイデアソン、ハッカソン。その多くがアイデア止まりで終わってしまって開催する意味があったのか、開催者は強く反省しないといけないものも多いはず。

そんなハッカソンの一つになるのか、2019年に広島で行われた「とびしまハッカソン」。実はこのハッカソンに参加していたチームがその後も開発を続け、とうとう実証実験を開始するに至った。特に公的支援もなく、本当に”有志”が熱意と情熱をもって開発を続けているのである。

<2019ハッカソンの内容についてはこちら>
https://local-iot-lab.ipa.go.jp/article/hiroshima-pref-iot-1904171557.html



重労働の草刈りをゲームに!「草刈ルゥーーン」

広島はレモンの生産量日本一、それ以外にも多くの柑橘を生産しているが、昨今の農業者の高齢化により、耕作放棄地が広がり、生産量も伸び悩んでいる状況である。レモン栽培だけでなく、農業に共通した課題として、①草刈り、②防除剤の散布、③収穫の3点が農業者の大きな負担になっている。

特に、筆者も夏場に草刈りを何度か手伝ったことがあるが、先週に草を刈ったところを翌週みると、また同じレベルの草が生えているのだ。これはキリがない。かといって、除草剤を多く撒くと農産物を痛めてしまうかもしれない。農業者の大きな課題である。

そこで、ハッカソンで生まれたこのチームは草刈りを楽しく、ゲーム感覚で楽しめるツールを本格的に開発し、少しでも草刈りの苦労を緩和、いやさらにレクレーションへと昇華させるというコペルニクス的発想で楽しみながら開発をしているのである。



ローテクとハイテクの融合

本開発ツールの詳細をここで解説してしまうと、まだアイデアの段階なので他の業者に真似されてしまう可能性もあるので概要だけを解説したい。(そんな可能性はあるのか!?)まずは従来の草刈り機を用意する。チェーンソー型でも、のこぎり型でも、ワイヤー型でもどのようなタイプでもよい。そこに、GPSの位置情報と連動させたガジェットを装着する。すると、位置情報を自動でクラウドに上げてくれて、どの場所で草刈りがされているのか自動で記録される。



どこにゲーム性が???

これだけを聞くと全くゲーム性などないように感じる。その感覚は正しい。ではさらに突っ込んで内容を聞いてみると、草刈りをした面積を競うことができるとのこと。なるほどそれであれば早食い大会ならぬ、早草刈り大会などを開催したときにはこのツールが役に立つだろう。陣取りゲーム的な要素が盛り込まれているのだ。

さらにである。草刈りをした記録はクラウド上に記録されていき、誰がいつどこでどれくらいの草を刈ったのか記録していくことができる。となると、よく草が生える場所やポイントが特定されていき、さらにはそこで取れるレモンの量などのデータと掛け合わせたとき・・・草がよく生える→土がよい→レモンがよく取れる、こういった、これは単純な相関関係であるが,データにすることによって見えなかったことが見えてくることもありそうである。

さらにさらにである。今回は草刈り機械に当該ガジェットをつけているが、どのような機械にも転用が可能である。例えば厳密な芝生管理をしているスタジアムなど、どうだろう。人の目や感覚で刈っている芝なども、データに基づく草刈りができるのではないか。それはいずれ自動草刈り機へも活用されるのではないか・・・といった感じで、このツールの可能性を無限大に感じた。



”遊び”でも本気で

実はこの開発チーム、このツールをTsukuba Mini Maker Faire2020に出展する予定である。
<Tsukuba Mini Maker Faire2020についてはこちら>
https://tmmf.jp/2020/
https://tmmf.jp/2020/?portfolio=%E3%81%BE%E3%81%95%E3%81%8A&fbclid

本開発チームのメンバーは,皆さん本業がある方々。だからこの開発はある意味”遊び”の意味合いが大きいが、”本気”で”遊び”を極めると、もうそれは「遊びですね?」なんて馬鹿にすることはできない。この発想の種が、日本の、そして世界の農業者の未来を救う、最初の一歩になるかもしれないのだ。そして、本開発チームの本当にすごいところは、すぐに行動に移していること。まずはやってみよう、このチャレンジ精神こそが、未来の広島県を引っ張っていくことになる。

「そんなことやったって意味あるの?」なんて言う前に、まずは行動を起こしてみるべきだと本開発チームから強く学ぶことができる。

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